▼茶箱で保管しているモノクロフイルムのうち、昭和43年にネオパンSS撮ったものの一部はビネガーシンドロームに感染しワカメ状に強くカーリングしてしまった。こうなってはスキャンは不可能で画像を取り出すことはあきらめざるを得なかった。(ビネガーシンドロームは伝染するのでやられたフイルムは別の箱に移し替えてはいたが)
▼数か月前、ビネガーシンドローム修復アイロンなるものを有料販売するというサイトを見つけ、ダメモト覚悟で申し込んだ。しばらくして送られてきたものは手造り感満点のアイロンだった。修復のやり方はアイロン台にカーリングしたフイルムを置き、端っこを無理やり平にして感光面にぐいっとこのアイロンを当てるというものだ。
▼アイロンの熱がビネガーを吹き飛ばすのか、やがてフイルムがたいらになり、何とかスキャンできる状態になる。ただしカーリングしたフイルムを無理やりたいらにするので、パリンと割れてしまうケースが多発、1スリーブ(6コマ)のフイルムの真ん中をハサミで切り3コマ、3コマにする方が成功率が高いことが分かった。
▼ここ数日修復作業に没頭した。以下は修復されたフイルムに写っていた画像の一部、昭和43年と言うとSLマニアとして夢中で蒸機を追いかけていたころだ。なぜかこの年の夏、東北撮影旅行に出かけた時のフイルムがやられた。大した写真ではないが、あきらめていただけにちゃんとスキャンし画像が現れると大変うれしかった。
・奥羽本線白沢駅
▼どこの駅だったか?向こう側ホームにC61の牽く列車が停まっている。
▼青森機関区にて 「よんさんとう」直前で機関区にはC60やC61がごろごろしていたことを覚えている。
▼羽越線の某駅でC5769とすれ違う。
▼アイロンによる修復はカーリングが弱いものはほぼ100%修復できた。ただしビネガーシンドロームが重症のものはカーリングがきつくフイルムが割れたり変形してしまい、成功率は30~40%と言うところか。それでもこのアイロンがなければ100%画像は日の目を見なかっただけに、修復アイロンには感謝感謝である。