華中鉄道のパシナ

▼ネットを検索していたら「徐州⇒海州火車開通了」と記された面白いポスターが見つかった。徐州、海州と言えば華中を横断し蘭州、連雲港を結ぶ中国の重要幹線「隴海線」の主要駅で1934年に国民政府の手によって開通しているのだが、このポスターに描かれている機関車のナンバープレートにはC51だし列車の開通を喜ぶ民衆が手にしているのは青天白日旗ではなく日本の傀儡政権、中華民国臨時政府の国旗五色旗だ。日中戦争の勃発以来連雲港、徐州が日本軍の手に落ちると、日本軍の進攻を食い止めるため国民政府の手により隴海線は徹底的に破壊されるが、華北交通の手により復旧がすすむ。このポスターはその時のものに違いない。民衆の表情がマンガチックで表情にやらされ感が漂っているのが可笑しい。

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▼ところで隴海線は南京陥落後、日本の手により組織された華中を基盤とするもう一つの傀儡政権「中華民国維新政府」との境界線にもなっていた。

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▼隴海線の管理は華中鉄道ではなく華北交通が行っていた。

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▼不思議なのはポスターに描かれた機関車がC51であることだ。C51は国鉄最初の急行用パシフィックとして289両製造されているがそのうち16両は軍に徴発され、改軌後中国にわたり、華中鉄道京滬線で使用されているが、華北交通に入った記録はない。ポスターを描いた人物(日本人?)はこのあたりのことに不案内であったのか、そんなことはどうでもよかったのか・・・・ところで華中鉄道ではC51にパシナと言う形式を与えていた。(もちろん満鉄のパシナとは違うが)パシナ〇〇と記された華中鉄道時代のC51の写真はまだ見たことがない。(新中国形式 満鉄パシナ⇒SL7 華中パシナ⇒SL9)

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