思いでの神戸市電⑮ 鷹取車庫にいた有蓋貨車

▼鷹取駅には山側に国鉄鷹取工場が隣接しており、当時は蒸気機関車の修理検収もしていたので、須磨の下宿から時々覗きに行った。この日はゼブラマークのC12245(有火)やC6248(無火)を撮った。

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▼鷹取駅から海側には専用線が延び市電須磨線とクロスしていた。

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▼鷹取には市電車庫があったので1回だけ訪問したことがある。電車を平行移動させるトラバーサーなる装置が面白かった。それにしても国鉄工場にしろ市電車庫にしろ入口で一言ことわるだけで簡単に中に入ることができたとは、何とおおらかな時代だったことだろう。

・下宿のおやじさんが「神戸には昔はクロスシートの電車もあったんだよ」と自慢していたのを思い出す。この頃は普通のロングシートになっていたが715はかってはクロスシートだった由。

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▼電車の運転系統図、石屋川線や尻池線(東尻池ー中之島)が消えている。

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▼車庫の片隅にいた単車の有蓋貨車10。調べてみるとこの車もとは大正生まれの木造車(もちろん一般乗客用)で昭和の初めに鋼体化され、昭和38年同形機がすべて廃車になった後この1両だけが資材運搬用の有蓋貨車に改造され生き延びた由。興味あるのは改造前の同形機3両が昭和16年海を渡り満洲国新京の市電となったことだ。(新京市電は昭和16年敷設が決まり、日本各地から中古路面電車を購入してなんとか開業に間に合わせた経緯がある)。この写真を撮った時はそんな話は知る由もない、何か珍しいものがいるなとカメラを向けただけ。

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▼満州国建国時の計画では国都新京の都市交通は地下鉄の方針だったが、戦争に計画はご破算になり急遽路面電車に変更された。そのため新京名所を紹介する絵葉書の類にも市電はみかけない。(満州国建国は昭和7年、市電敷設が決定したのは昭和16年)下はネットで拾った新京市電の写真。神戸市電の同形機のようでもあるが・・・??

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▼市電車庫も鷹取工場も姿が消えて久しい。STREET VIEWで現在の鷹取駅を覗いた時は周囲のあまりの変りように思わず絶句した。

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思いでの神戸市電⑮ 鷹取車庫にいた有蓋貨車 への1件のフィードバック

  1. 低空飛行 より:

    須磨車庫は、市電廃止後にバス車庫になり現在はスーパーになってる?

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